「M邸スポットリノベーション」仏壇の見せ方

今回は簡単に仏壇の見せ方の工夫について話したいと思います。

最近は日本の住宅事情も昔と変わり、洋風で畳の無い家も増えてきましたからフローリングの部屋やリビングに設えるパターンも増えてきました。そんなとき畳の部屋に合う伝統的な仏壇のデザインは、単体で完成されているために『家具』として浮いてしまうことがあります。

元来、仏壇の意義は大きく分けて「ご先祖様が住まうお家」と「仏様をお祀りする小さなお寺」と言う捉え方があり、仏壇自体のデザインには「こうでなければいけない」という決まりごとはありません。そのため、私たちが住む家も和風の家だったり洋風の家だったりするように、もっとインテリア性が高くて今の住まいに合う仏壇のデザインがあっても良いはず・・・と言う考え方から、今は現代仏壇と呼ばれるさまざまなデザインの仏壇も目にするようになりました。ただ、今回はずっと大事に使ってきた仏壇をきれいにしてそのまま使いたいとの事でしたので、買い替えはせずに家の雰囲気に合わせる事にしました。

もちろん宗派やライフスタイル、信仰に対する考え方はそれぞれですから正解も一つではありませんし、拝む場所も静かでプライベートな場所が良い人もいれば、みんなが集う場所が良いと言う方もいると思います。それに加えて部屋とのバランスや来客時の事も考えなければいけません。いろいろ検討した結果、みんなが集まる賑やかな場所でありながら来客時の配慮として存在が強くならないよう、仏壇そのものの前面を扉で覆えるよう工夫する事になりました。

見た目は廻りの家具と違和感がないデザイン

通常は仏壇自体に「大戸」と言って、「格子」の前に中が見えないように覆える板があるのですが、仏壇自体を更に扉で覆うと大戸は必要でなくなってしまいます。そこで、大戸は取り外し仏壇と一緒に収納棚に収める事にしました。更に収納扉を開いた時に扉の存在感を消すために、扉自体を収納する事にしました。

扉は袖壁の中に収納されます

これで必要に応じて仏壇の使い方がいろいろ出来るようになりました。ちなみに、地袋には経机がしまえるようになっていますので、通常はいつものように祀りながら大勢のお客様が見える時にだけ収納する事が出来るようになっています。ご先祖さまも、いつもはみんなの近くにいながら騒がしい時にだけ静かに隠れる事が出来る・・・そんな風に誰もが満足のいくスタイルが出来ました!

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